奨学金と教育ローンの違い
子どもの入学に向けて利用を検討する奨学金や教育ローン。どちらのサービスも賢く利用するにはその違いをきちんと把握していることが重要です。
奨学金とは、日本学生支援機構や地方公共団体といった組織が、就学に必要な資金(入学金や授業料)を一部融資してくれる制度です。借主は学生本人で毎月定額で振込みされます。利息は発生せず、返済は卒業後から開始。一方、教育ローンの借主は保護者にあたります。一括での振り込みで、利息は借りた翌日から発生。借りた翌月から返済期間がスタートします。
奨学金の種類
奨学金とひとくちにいっても、さまざまな種類があります。利子付き・無利子の奨学金を含め、利用するにはいくつかの条件が設けられているため、金額や返済方法を考えたうえで、学生本人(借主)に適した奨学金を選ぶのがベストです。
◇第一種
第一種の奨学金は、日本学生支援機構が融資している奨学金で、月額約5~60,000円融資されます。第一種の特徴は「無利子である」という点で、卒業後に借りた分を借りた分だけ返せばよいという奨学金です。第一種の奨学金を受けるための条件は、成績が3.5以上であることが条件となっています。
◇第二種
第二種の奨学金は、第一種と同じく日本学生支援機構が融資している奨学金で、利子が最大3%の利子が付きます。条件としては「高校在学中の成績が平均以上であること」「とくに優れた資質や能力を持っていること」「学ぶ意欲と、確実に学業を終了する見込みがある」の1つ以上満たしていかなければなりません。
◇入学時特別増額付与奨学金
入学時特別増額付与奨学金は、第一種・第二種奨学金の利用者が追加で申し込める奨学金です。入学初年度のみ最大50万円まで融資を受けられます。振り込みは「第一種」「第二種」の奨学金と同時に行われるため、入学前の準備費用に利用することはできません。ほかにも、各都道府県や市町村が独自に設けている地方自治体の奨学金や、一般企業が設けている奨学金制度があります。
◇給付型奨学金
このほかにも、返済義務が無い給付型奨学金という奨学金も存在します。こちらは、進学先の学校や地方公共団体、公益法人、民間企業などさまざまな団体が融資している奨学金で、支給条件や金額などが給付団体ごとに大きく異なります。とはいえ、採用基準はいずれも高く、成績優秀や健康状態良好などの条件が付くのは、どの給付団体においても一緒でしょう。
教育ローンの種類
また、教育ローンには大きく分けて「国の教育ローン」と「民間の教育ローン」の2種類があります。国の教育ローンは公的な政府系金融機関が取り扱うのに対し、民間の教育ローンでは、銀行や信販会社等が扱います。収入の条件や利率などは取り扱い会社により異なるのが特徴です。信販系の教育ローンは銀行系に比べ、一般的に「審査は甘いぶん利息が高い」といわれています。
大学・短大や専門学校を探す際はそうした点にも注意して探さなくてはなりません。
一部を除いて、奨学金も教育ローンも卒業後に返済義務が発生します。いずれを選択するにしても、そのことを踏まえたうえで利用するようにしましょう。