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1000万円貯めるにはどうすればいいのか

目標までの貯金

貯蓄額が少ない人が1000万円の貯蓄と聞くと、とてつもないハードルに感じられるかもしれません。ですが、最初から無理だと思って諦めてしまっては、何時まで経っても1000万円どころか100万円すら貯金することは難しいでしょう。
実は誰でも1000万円の貯蓄は可能です。ただし「1000万円貯金しよう!」と思い、貯蓄癖がついていないのにもかかわらず、いきなり節約生活に入り、毎月10万円を貯蓄に回しても長続きしません。これでは、練習もしていないのにフルマラソンの大会に参加するようなものです。確実に途中で息切れしてしまい、中間地点前でリタイアしてしまいます。
貯金をするのにもウォーミングアップが必要です。ゼロに1000をかけてもゼロになってしまうように、貯蓄がゼロだと何時まで経ってもゼロのままです。まずは月にいくらか貯蓄できるように貯蓄癖をつけましょう。

1日いくら貯めれば1000万円になる?

では、その1000万円に向かって、60歳までに毎日コツコツ貯めるとしたら、どのくらい時間が必要でしょうか。
もしも25歳から35年かけて貯蓄しようと思った場合、毎日790円ずつ貯蓄が必要です。金額的には何とかなると思うのでは?
これが35歳になると毎日1,100円ずつ、790円に比べると負担を重くなります。45歳の場合、毎日1,830円ずつ。毎日、同じ額を削ろうとすると、かなり節約しなければ難しいでしょう。
55歳だと毎日5,480円。一気に金額が大きくなりました。これだと節約だけではどうにもならない額です。
1,000万円を貯蓄するのは途方もないように感じるかもしれません。しかし、お金を貯めるにはコツがあります。このコツを身につけることで1,000万円貯蓄できるようになるでしょう。

100万円の壁を超える

貯蓄をはじめると最初に立ちはだかる壁が100万円の壁です。貯蓄が苦手で100万円の壁を超えられないという人は多くいます。
100万円の壁を超えるために、越えられない原因と超えるための習慣について解説していきます。

支出を把握する

100万円を貯蓄できない原因のほとんどが毎月の支出です。収入と支出が同じ、または支出のほうが多いと100万円の壁は超えられません。
QGSという考え方があります。QGSとは、毎月の家計(手取りの収入)を固定費・変動費・自己投資・貯蓄の4つに分けて、きれいに25%ずつの比率となるバランスを理想とする考え方です。
QGSをイメージして家計を整える場合、100万円を貯められないほとんどの人は固定費(家賃+保険)と変動費(光熱費や家計など)の両方が手取り収入から25%の割合をオーバーしています。
固定費・変動費それぞれが手取り収入の30%程度になっていると、貯蓄に回せるお金を抽出するのは難しいでしょう。
毎月の支出をきちんと把握せず管理もできないと100万円は貯められません。

先取貯金をする

100万円の壁を超える方法はいたってシンプルです。給料の一部を天引きしてお金を貯める先取貯金を実践すれば貯められます。
毎月余ったお金を貯蓄に回すのではなく、給料が入ったら自動的に轢かれるように設定し、貯蓄に回した分は最初からないものとして生活費を決めるようにしてください。たったこれだけのことですが、100万円の壁は超えられます。
ただ、先取貯金をしようと思っても、いくら貯金に回せばいいのか迷うはずです。この場合、金額ではなくパーセンテージで決めるようにしてください。
「毎月2万円を貯金」するのではなく「毎月の手取り収入の10%を貯金する」ように考えましょう。パーセンテージで考えることでお金のバランスが磨かれ、収入や支出の管理ができるようになってきます。
QGSを参考にすると毎月の手取り収入の25%がおすすめの金額です。手取り収入の25%で貯蓄すると2~4年ほどで100万円を貯めることができます。
2~4年と聞くと長い間に感じられるかもしれません。しかし、100万円を超えられない人は次の壁も超えることはできないでしょう。投資もまだまだ先のことです。まずは先取貯金で100万円を目指しましょう。

一度の手間で長続きする節約方法

貯蓄を始めたら、あらためて家計を洗い出してみましょう。家計の洗い出しは、毎月支払っていることを見直すことが大切です。まずはスマートフォンにいくら使っていますか。格安SIMに乗り換えることで、利便性をほぼ失わず最大5,000円以上の節約ができます。
また、加入している保険の見直すのも効果的です。保険に加入すると契約期間中は決められた保険料を支払い続けなくてなりません。必要な保障に契約しなおすことができれば、それに応じて保険料も変わり、保険料の無駄が省けます。
見直しの際、選ぶ保険商品、保険額によって保険料を安く抑えられる可能性もあります。
一度の手間で削減効果が得られる固定費から見直してみましょう。

無理な節約はしない・バーゲンセールに手を出さない

食事を制限して節約するなど、無理な節約はストレスとなっていずれ辞めてしまいます。貯蓄は一朝一夕では不可能なので、できるだけ負担をかけずに続けることを意識しましょう。
また、バーゲンセールには手を出さないようにしてください。いつもより安いからといって、不要なものまで買ってしまいがちです。特にこれから1,000万円を貯めようと考えている場合、バーゲンセールを逃さないように意識しがちです。
元から必要なものだけ買うことを意識しましょう。バーゲンセールを利用する場合、できる限り不要なものは買わないように気をつけないと余計な出費となってしまいます。

貯蓄の壁1,000万円を突破するには

100万円の壁を乗り越えたら、その余剰金を使って投資へのチャレンジが視野に入ります。投資には複利という概念があるので、積立金と投資によって得られた利益の再投資によって加速度的にお金を増やしていけるようになります。
しかし、100万円の投資ではなかなかお金が増えていく実感はできません。近年、話題となっているFIRE(経済的自立と早期リタイア)では4%ルールといって運用利回り4%が基準となっています。
仮に100万円を4%で運用すると年間4万円の資産収入です(税金は考慮せず)。年間で4万円だと大した額ではありませんが、これが200万円、300万円になると2倍、3倍になります。そうなると投資の実感がわきやすく、さらなる資産拡大へのモチベーションになるでしょう。
100万円の壁を突破して、1,000万円を目指す人の多くは、年齢的に出費も多くなってくる時期と重なりやすくなります。この出費によって資産額が減ってしまうのを防ぐためにも投資によって収入を増やすのも意味のある考え方です。
投資には以下の様な手段があります。

投資信託

不特定多数の投資家から集めたお金をひとつの大きな資金を運用する仕組みの金融商品です。運用の専門家であるファンドマネージャーが株式や債券などに投資・運用し、運用によって得られた利益を各投資家の投資額に応じて分配します。
色々な要因によって変動するため、運用成績が良ければ利益を得られますが、運用がうまくいかないと損失が出る可能性もあります。元本が保証されてない点が預貯金と大きく異なる点です。

株式投資

企業が発行する株式を売買することで利益を得る投資方法です。株式投資には購入した株が値上がりしたタイミングで売却して利益を得るキャピタルゲイン。企業が出した利益の一部を投資家に還元するインカムゲイン。自社製品やサービスなどの得点が受けられる株主優待があります。
株式投資はまとまった資金が必要で、銘柄の選択が難しい部分もあります。また、投資先企業の業績悪化による株価の下落による元本割れや、株主優待の廃止・縮小が起きたりする可能性もあるので、リスクについて十分な理解が必要です。

小額投資

明確な定義はありませんが、一般的には10万円以下の金額から始められる投資のことです。小額投資は投資経験がない人や資金が少ない人でも始めやすいのが特徴で、中には100円から投資できたり、スマートフォンのアプリから手軽に始められたりできます。
これまでの投資運用は高額な資金が必要で、銘柄選びも難しいものでしたが、小額投資が登場したことで、投資に挑戦しやすくなりました。
投資額が少ないため、損失額も大きくなりづらいため、一般的な投資に比べリスクが少ないことがメリットです。その分、得られる利益も少なく、まとまった利益を得るには時間がかかります。投資の知識と経験を積むためのステップとして始めるのに最適です。

つみたてNISAやiDeCoのような税制優遇制度を利用する

通常、運用益から現行では20.315%の税金が引かれるため、手取りで1,000万円増やそうとすると、その分時間がかかります。ですが、つみたてNISAやiDeCoのような税制優遇制度を利用することで、運用益が税制優遇されます。
長期間の運用を検討しているのなら、このような税制優遇制度を利用すると効果的でしょう。

副業を始める

副業を始めて収入を増やす方法があります。現在は副業が推進されているため種類も多く、自分にあった副業が探せるでしょう。中には仕事のスキルで活かせる副業もあります。
できる限り1,000万円を貯めるまでの期間を短くしたいなら、副業を始めて収入を得ることを検討してみてください。

1,000万円を貯蓄するというのは非常に高い壁のように感じますが、計画を立てて始めれば無理な金額ではありません。何年で貯めるかを計算すれば、毎月の貯蓄額がわかるので始めてみましょう。
投資を始めることで、1,000万円を貯めるまでの期間は短くなります。100万円ほど貯まってきたら、より有効な運用にシフトしていきましょう。普通預金に入れっぱなしではなく、定期預金に変えるとわずかですが金利が高くなる場合があります。
今回おすすめした投資にはメリット・デメリットはあるので、よく理解したうえで貯蓄癖がついてきたらぜひ実践してみてください。

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